災害時のレクリエーション支援
 レクリエーション・ボランティアに関するノウハウ  子どもたちの支援
レクリエーション・ボランティアに関するノウハウ 

子どもたちの支援

公開日
2020年8月20日
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2013年7月26日
東日本大震災と九州北部豪雨災害の支援活動から②


遊びを通した「心のケア」のステップ 久保誠治 熊本YMCA本部事務局長 レクリエーション・コーディネーター

心の辛い出来事を処理するには、それに見合う「体験活動のリソース」が沢山あればあるほど効果的である。その辛い経験を、楽しい・嬉しい・力強く乗り越えることができたという経験で上書きできたら…それが遊びを通した「心のケア」である。子どもたちのリソースは、参加してただ楽しかったという表面的なものだけではなく、遊びを通して辛い経験を受け止め、乗り越えていく力となるのである。
東日本大震災の被災地(宮城県・福島県)での遊びを通した継続的支援活動。九州北部豪雨災害での「あそぼうキャンプ」。これらの実践から、遊びを通した「心のケア」を行う際の、子どもたちにアプローチするステップと留意点を整理してみた。

遊びを通した「心のケア」のステップと留意点

①被災児に近づき、活動を始める。
最初は持参した風船を膨らませて、思いっきり息をはくことが、子どもたちのためにリラクゼーションにつながる等「心のケア」といわないケアが必要である。
➡被災児の求めに応じる。あるいは、被災児に負担をかけない共感的な態度でこちらから手を差し伸べる。決して強制したり、否定しないで、丁寧に真摯に向き合う。

②安全と安心感
➡もう危険な目に遭うことはない、あなたのそばには、いつも私がいますよという安全、当面の安全を確かなものにし、被災児が心身を休められるようにする。

③安定化
➡圧倒されている被災児の混乱を鎮め、見通しが持てるようにする。誰にでも起きる心の状態について安心、安全、安定を目指す。

④情報を集める、いま必要なこと、困っていること
➡周辺情報を集め、被災児がいま必要としていること、困っていることを把握する。
そのうえで、その子にあった心の支援計画を組み立てる。

⑤現実的な問題の解決を助ける
➡避難所、仮設住宅での遊び場環境を整備する等、いま必要としていること、困っていることに取り組むために、被災児を現実的に支援する。

⑥周囲の人々との関わりを促進する
➡家族、友人など身近にいて支えてくれる人や、地域の援助機関との関わりを促進し、その関係が長続きするよう援助する。「みんなが資源、みんなで支援」ネットワークを活かして専門家によるケアを行う。

⑦対処に役立つ情報
➡苦痛をやわらげ、適応的な機能を高めるために、ストレス反応と対応の方法について知ってもらう。例えば身体を動かすこと、プラスの楽しいイメージを持つ遊びをすること。呼吸法、五感を通した遊び活動、自然活動、各種療法(セラピー)等

⑧紹介と引き継ぎ
➡被災児がいま必要としている、あるいは将来必要となるサービスを紹介し、引き継ぎを行う。

⑨防災教育と被災体験の表現
➡遊びを通して「ふだんの暮らし」が防災・減災になる「生活防災」を学び。被災体験を未来に繋ぐ表現を形にする。 

⑩被災をプラスに
チャレンジする体験
➡辛いことや、忘れたいことを少しずつプラスの体験に変換していくこと。今はいない人への感謝の気持ちや思いを書き綴り、たむけること。
 レクリエーション・ボランティアに関するノウハウ  子どもたちの支援(2-1)

  

  
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