災害時のレクリエーション支援
 Recrew No.654 (2014年9月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.34
Recrew No.654 (2014年9月1日)発行

[笑顔 Again]プロジェクト Vol.34

公開日
2020年7月27日
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被災地に笑顔をとどけるTeam Recrew
支援活動もユニホームも地域に浸透
仮設校舎の高校の支援も開始


浪江高校のクラブ活動を支援 福島県レクリエーション協会

福島県立浪江高等学校は、原発事故の影響により浪江町を離れ、福島県立本宮高等学校の敷地に仮設校舎を設置しています。この浪江高校のクラブ活動を、休校が予定されている平成28年度までの3年間、福島県レクリエーション協会が支援をすることになりました。
浪江高校では、仮設校舎のため運動施設の使用ができないことや、生徒数の減少により部活動も少なくなりました。このため、多くの生徒が「帰宅部」になり、仮設住宅や借り上げ住宅に帰っていくため、放課後活動の受け皿として「進路研究部」を創りました。この進路研究部の活動として、身体を動かすことができ、他校との交流や被災者の支援活動にも役立つとして、レクリエーション・インストラクターの学習課程を選んだのです。
校長の佐藤肇先生は、「仮設住宅でのボランティア活動や地域の小学生のキャンプの手伝いなど、レクリエーションを生かす場面がたくさんある」といい、「そこで習ったことを生かしながら自己肯定感を高めてほしい」と期待します。クラブの顧問・佐藤祐子先生と長野喜恵子先生も、「いろいろな実習を通してリーダーシップを発揮する経験をしてくれれば」と話します。
5月16日は、アイスブレークで行うゲームとレクリエーション・ダンスの体験でした。ゲームでは、仮設住宅で高齢者を支援する場面を想定して、脳トレの要素を入れたり、関節の運動を自然に行うやり方なども学びました。レク・ダンスでは、ちょっとしたステップを曲に合わせて続けるだけで、「暑い」、「すっごくカロリーを消費している」と声に出るほどのプログラムをつくれることを体験しました。
このクラブ活動支援は、毎週3回程度行われ、さまざまなレク活動、ニュースポーツ種目などを体験していきます。5月前半にはユニカールを練習し、福島県の大会にも参加しました。9月には福島で開催される全国レク大会にボランティアとして参加したり、福島県レク協会が行う仮設住宅の支援活動にも同行しながら実践を積む予定です。

山田町青少年の家仮設団地で健康づくりの支援 盛岡市レクリエーション協会

毎月、被災した沿岸9市町村での支援活動を続ける岩手県レクリエーション協会。5月27日は、山田町・青少年の家仮設団地にて健康づくりの支援を行い、盛岡市レク協会の八重樫敏雄さん、村上福道さん、相馬満枝さんが仮設団地の談話室を訪問しました。
最初は手と指の運動から始まりました。握ったり、開いたり、単純な動きをしながらですが、「昨日は寒かったね」と話しかけたり、「こっちではこういうの何て言うの」と方言の話などをし、気持ちをほぐしていきます。打ち解けてくると、少し高齢の方でも健康づくりに関心が強いことがわかり、「立ったまま靴下がはけるようにね」など、それぞれの動作が日常生活にどう役立つか話しながら体操をしたり、「スライドカーリング」という、スティックで円盤を押して滑らせ、得点が描かれた場所に置いたり、相手の円盤をはじき出す軽スポーツに挑戦しました。
「ピンクの人たちが来ると、みんなで気兼ねなく笑える」。4年目に入り、レク協会の支援活動もユニホームとともに被災地に浸透しています。
 Recrew No.654 (2014年9月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.34(2-1)

北海道七飯レク協会が宮城県石巻市で支援活動

6月14日、七飯レクリエーション協会(北海道)が、宮城県石巻市の南境第4仮設団地、開成第10仮設団地、地域総合生活支援センター、うめばたけこども図書館で支援活動を行いました。2012年6月から始まった同協会の支援活動は、岩手県内や南三陸、気仙沼などを経て、今回で5回目。
仮設団地では、チンドン屋に扮したメンバーがアコーディオンと太鼓の音とともに周辺の団地まで呼び込みをし、集会所では寸劇や歌を織り交ぜながら、住民と楽しいひとときを過ごします。生活支援センターとこども図書館では、子どもたちと古新聞や段ボールなどの廃品を利用したクラフトを楽しみました。
同協会の池田博喜さんは、「半年に1回ペースですが、地元での介護施設や学童保育等で実施している活動を役立てながら、これからも被災地を応援し続けたい」と話します。
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