しちがはまレクリエーション協会(宮城県)は、七ヶ浜町湊浜二丁目応急仮設住宅での支援活動を毎週土曜日に続けています。
昨年11月2日は、舘岡百合子さんと斉藤貴子さんが、ポール・ウォーキングのポールのセットを持って来ました。スキーのストックと同じような杖を両手に持って歩くポール・ウォーキング。「仮設住宅で暮らすみなさんの運動不足解消のためにも良いのではないか」と考え、舘岡さんたちも講習会に通って指導方法を身につけました。ポールを使うことで、「足腰への負担が少なくなり、腰を伸ばした良い姿勢で歩くことができる」といいます。
みなさんが集まってくると、早速ポールの長さを調節して、各自、歩く練習が始まりました。
「難しいわね…手と足が一緒に出てしまう」。普段使わないポールに違和感を感じるせいか、右足を出す時に右手が出てしまい、「ロボットになっているわ」と笑い声が響きます。しかし、普段杖をよく使う方が、「ただ歩くのと一緒でしょ」とすんなり歩いて見せました。「意識しすぎちゃダメなんだね」と、みなさんも続きます。
みんなでストレッチをして、歩き方の最終的な確認をしてから散歩に出かけました。舘岡さんが「1、2、1、2」と歩くリズムを作ります。普段よりも少し歩幅が広がっているためか、「家にばかりいるから、足が開かなくなるんだ」という声が聞こえてきました。それでも歩き始めるといろいろな物が目に入ってきます。「車で通ると気づかない」と、庭のバラや柿、家庭菜園の野菜などを見つけては楽しんでいました。途中、震災前の地域の知人に久しぶりに出会い、「かっこよくて、いいね」と声をかけてもらう場面もありました。
「みんなと歩くと早いね」。少し腰が弱くなったという方も、ポールを持ちながら「腰が伸びていれば、とても楽に歩ける」と、いつもの散歩よりも軽快に歩けたようです。仮設住宅の談話室に戻ると、みなさん「いい運動だったね」と話していました。
高台の造成はまだ途中で、湊浜二丁目応急仮設住宅のみなさんが仮設住宅から移るには、少なくともあと1年以上かかるといわれています。しちがはまレク協会のみなさんの支援活動は、これからも続きます。