災害時のレクリエーション支援
 Recrew No.644(2013年9月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.24
Recrew No.644(2013年9月1日)発行

[笑顔 Again]プロジェクト Vol.24

公開日
2020年7月17日
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被災地に笑顔をとどけるTeam Recrew
不安な気持ちを和らげるために
地域レク協会も支援活動を継続


コミュニケーションを大切にして 不安な気持ちに寄り添う 宮古市レクリエーション協会

5月26日(日)、宮古市レクリエーション協会の坂下真紀子さん、遠藤節子さん、伊藤和子さんが河南仮設住宅を訪れました。宮古市レク協会は、震災直後の4月から避難所での支援活動を始め、その後も毎月市内の仮設住宅での活動を続けています。毎月違う仮設住宅を訪れているため、河南仮設住宅に来るのは数ヶ月ぶりでした。しかし、この活動を待っている方も少なくなく、この日は16人が集まりました。集会所で軽い運動をするには十分な人数です。
この日は、ビーンズバッグを的に投げ合うバッゴーも楽しみました。一通り練習をしたあと、2チームに分かれて対戦です。的となるボードの上にバッグが乗るように投げ、さらにボードの穴にバッグを落としていきます。「輪投げは投げたら終わりだけど、こっちは楽しい」と、みなさん夢中になってきました。
「やっぱし、意地になるもんだ」、「今度は、ガンバレ!」とかけ声も大きくなってきます。ゲームが終わったあとも、「入るまでだ!」と何度も投げていました。そんな時も、一投ごとに声がかかり、拍手が起きます。
始まる前、休憩の時、終了後と、できる限りみなさんとのお話も楽しみます。そんな時、「歌っていったり、体操したり、いろいろな支援活動がくるけど、それで帰るだけ。一方通行。仮設に入って2年経って、これからどうなるかわからないけど、溜まったものを出したい」と話す方がいました。「この先どのくらい仮設にいるのか」、「このまま仮設で(人生が)終わるのではと考えるのが辛い」という本音も引き出されます。「みんな話したい。つじつまなんか合わなくても聞いてほしいんだ」という方も。支援活動では身体を動かすことだけでなく、こうしたコミュニケーションが大切なことを改めて教えてくれました。
坂下さんは、「ここに来てくれる方は基本的に前向きな人たち。でも、こうして深いところの気持ちが、ふと出てくる」と言い、「私たちは、一瞬でもそうした気持ちを忘れて、楽しんでもらえるように活動を続けていきたい」と話してくれました。
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立って行う活動を増やして運動量をアップ 大東町レクリエーション協会

大東町レクリエーション協会も、震災後の仮設住宅での生活が始まった頃から、陸前高田市での支援活動を開始。これまで米崎、気仙、細根沢などの地区で活動し、今年度は下矢作地区で活動しています。
6月10日は下矢作多目的研修センターを、松川栄一さん、松川富子さん、小野寺美智子さん、安東京子さんが訪れました。この地域は小規模な仮設住宅が点在しているために、陸前高田市社会福祉協議会のスタッフが車で参加する方を迎えに行きます。そうした支援を続ける社協の生活支援相談員さんが、「レク協会の活動は楽しいので、みんな楽しみにしている」と話してくれました。
この日も、身体を動かす活動が中心です。カードの絵を合わせていくゲームでは、歩く距離を長くしてちょっとした運動にしていました。2チームに分かれ、リレーのようにして、カードの置いてある所まで歩き、ジャンケンをし、カードを持って戻ります。身体を動かすと、気持ちもほぐれるのか、ジャンケンの時も大きな声が出ていました。このほか、自宅でも取り組んでもらおうと、簡単な4つのポーズが基になった体操や、沖縄の民謡と踊りを取り入れたダンスも楽しみました。
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大東町レク協会の支援活動は、立って行う体操や運動が多くなっています。仮設住宅での生活が長引くにつれ運動不足となり、「足腰が弱くなった」と座ったままで体操をする。それにより、運動量がさらに少なくなる。こうした悪循環を少しでも止めたいという思いが伝わってきます。「運動会で踊るから」と頼まれ、レクダンスの曲をダビングしたこともありました。紹介した体操や運動がみなさんの生活の中で楽しまれることも、支援活動の成果を感じる時です。
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生活支援相談員さんたちの支援もあり、ここに集まる方はみなさん明るく、交流を楽しんでいます。しかし、お茶飲みの時には、「いつまで仮設かね…」という話しも聞こえてきます。この地区に限らず、保健師などに「眠れない」と相談するケースも目立ち始めています。「月一回だけど、これからも続けていかないと」と、大東町レク協会のみなさんも活動を継続していくことを確認しあっていました。


七飯レク協会(北海道)が3回目の支援活動

七飯レクリエーション協会(6名)が、6月8日と9日、昨年訪問した釜石市、宮古市、岩泉町の仮設住宅5か所を「再訪問」しました。
集会所では恒例の股旅ものの寸劇、ソング、ダンスを披露。フラダンスでは、レイなどを全員が身にまとい大騒ぎに。腹の底から出る笑いの渦に包まれ、ストレスも発散してもらいました。
 Recrew No.644(2013年9月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.24(3-1)

子どもたちとは、外でクラフトを製作。久しぶりに子どもたちが一か所に集まり、作ったクラフトで外を駆け回る姿に、「子どもたちもコミュニケーションがとれ、ストレス発散になって本当に良かった」とお母さんたちの声も聞かれました。
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「来てくれるだけでありがたい」、「話し相手になってくれるだけでいいんだ…」と話す被災者のみなさん。ささやかなつながり・絆を願っていました。私たちも、息の長い「心の復興・つながりづくり」が何よりも必要と感じます。そして、9月には福島を訪問することを、七飯レク協会のみんなで誓い合いました。
(七飯レク・池田博喜)
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