毎月第2水曜日、二本松市安達町運動場応急仮設住宅の集会所で、福島市レクリエーション協会の支援活動が続いています。ここで毎回行われているのは、歌のプログラム。実はこれまで、福島市レク協会の蒲倉一男さんが伴奏をしていました。しかし、4月はじめに急逝され、それ以降、4月の活動から鈴木道代さんが伴奏を引き継いでいます。
「5月といえば、今、歌わねばならない歌がありますね」。斉藤公子さんの問いかけから5月8日(水)の活動が始まりました。すぐに「こいのぼり」や「せいくらべ」などの曲名が返ってきます。「季節が良くなってきたので、花の歌も歌いましょう」と、花をテーマにした歌も歌いました。「みかんの花咲く丘」では、「手遊びを覚えていますか」と尋ねると、「茶摘みのほうがよくやった」というみなさん。「では」とやってみると、いくつかの遊び方が出てきました。「この人と私は歳が違うから、年代で違うんだよ」という声に、みなさん大笑い。
休憩のお茶の時間には、昨年に続き佐藤千鶴さんが作った粽(ちまき)がみなさんに配られました。この仮設住宅には浪江町の方が暮らしており、昨年、「浪江町では端午の節句は柏餅だけで、粽は食べない」という話を聞いて用意したものだそうです。今年も粽を見て「一年経ったんだね」と、感慨深げに話していました。
後半はリクエストに応えて昭和の歌謡曲です。「別れの一本杉」や石原裕次郎の歌になると、スタッフよりもみなさん、特に男性のほうが良く知っています。「懐かしいね」、「テンポがちょっと速いね」とアドバイスする方、「いきいきしてきちゃったんじゃない」と冷やかされる一幕もありました。
この日は終わったあとも、しばらくお茶の時間が続きました。「震災前は田んぼや畑、広いところでやってたから、仮設は息苦しい」。「こうしてみなさんと会えるのは嬉しい」というお話のほかにも、避難区域から解かれて自宅に行ってみた話、その一方で、まだ戻れない方の不安な気持ちも語られました。震災直後の避難の様子やその時の寂しさも、改めて話してくれる方もいました。本当の意味で気兼ねのない仲になってきたのかもしれません。
※福島市レクリエーション協会会長の蒲倉一男さんが、4月4日、心筋梗塞のためご急逝されました。
蒲倉さんは安達町運動場応急仮設住宅の支援活動で、毎回ピアノで伴奏をしてくださり、いろいろなリクエストにも直ぐに応えてくださる頼もしい方でした。また、借り上げ住宅の被災者支援のために行ったショッピングセンター等での支援活動、夏期の子どもたちのキャンプ、県内の総合型地域スポーツクラブを通した支援活動など、福島県内での様々な支援活動を支えてくださいました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。