災害時のレクリエーション支援
 Recrew No.640(2013年4月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.20
Recrew No.640(2013年4月1日)発行

[笑顔 Again]プロジェクト Vol.20

公開日
2020年7月13日
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被災地に笑顔をとどけるTeam Recrew
3年目の支援活動
被災地のリーダー養成、
地域文化を残す試みも


女川町でリーダー養成スタート! 宮城県レクリエーション協会

1月30日、宮城県レクリエーション協会の女川町でのリーダー養成が始まりました。会場となった女川町社会福祉協議会には、仮設住宅での高齢者の健康づくりやサロン活動の世話をする人たちや、被災者支援、社会教育に携わる40人が集まりました。
今回の研修では、仮設住宅の集会所等で行われるサロン活動を想定し、取り入れやすいゲームや体操、クラフトなどを体験します。最初はアイスブレークの方法から始まりました。4つのチームにわかれて、リーダーの合図にあわせて拍手をします。2人組みで握手をして、お互いが握る回数を合わせるゲームも体験。同じ動作をみんなですることや、ちょっとした楽しさが人と人の距離を縮めることを体験しました。
椅子に座った姿勢で2人組みでジャンケンをし、勝った方が相手の膝を叩き、負けた方は膝を開いて避けるゲームでは、楽しさを活用しながら身体を動かしてもらう方法が説明されました。
体操の導入部分でやりやすい手や指を使った運動では、左右の手で親指と小指を交互に動かしたり、グーとパーをリズムに合わせて左右入れかえる遊びが紹介されました。単純でも間違えやすい遊びが笑いを誘い、和やかな雰囲気をつくること、頭の体操にもなることなどを体験します。こうした動きを、歌に合わせて体操にする例も体験しました。
 Recrew No.640(2013年4月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.20(1-1)

仮設住宅の集会所で高齢者のサロン活動を運営している方は、「健康体操の先生に来てもらうことが多いのですが、今日習ったことをちょっとずつやってみて、少しずつ自分でできるようにしていきたい」と話してくれました。子どもたちに関わる方も、「今はボランティア団体などが来てくれますが、そうした支援がなくなったら自分たちでやらないといけない」と言い、「子どもたちにも活用できるので、いろいろなゲームを覚えたい」と話します。
女川町でのリーダー養成は、平成25年度も5回の研修が計画され、女川町での支援活動を担うレクリエーション・インストラクターの養成にもつなげていきます。また、研修の参加者にも協力してもらいながら、町民の交流と健康づくりのためのニュースポーツ・フェスティバルも女川町で開催する予定です。

浪江町の昔遊び・わらべ歌を楽しむ 福島市レクリエーション協会

浪江町から避難してきた人たちが暮らす二本松市安達町運動場応急仮設住宅。2月13日(水)も前日の雪が残る中、みなさんが集まってきました。
午前10時、プログラムが始まりました。毎回、「北国の春」から始まります。最初の歌にもかかわらず、みなさんの声が集会所に響きます。次の歌に入る前に、歌をリードする鈴木道代さんが節分の様子を尋ねました。「仮設だし、豆はまかなかった」という方も少なくありません。「でも、豆だけ食べたけど」という言葉が笑いを誘います。「柊の枝で鰯の頭を刺して」と節分の魔除け「柊鰯(ひいらぎいわし)」を作ったこと、江戸時代の二本松城主が丹羽氏であったため、この地域は「おにわ外」と言わないなど、いろいろな話が出ていました。
今回は、浪江町の昔の遊びも尋ねました。みなさんと楽しめる活動を増やしたいという思いと、浪江町に伝わる地域文化を残すことができないかという思いからの試みです。
 Recrew No.640(2013年4月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.20(2-1)

「あんたがたどこさ」でまりつきをした。「花いちもんめ」もよくやった等、わらべ歌の遊びが出てきました。「ずいずいずっころばし」で手を出して遊んだという思い出に、スタッフの佐藤喜也さんが「どうやって遊んだのか教えてください」と言うと、いくつかの輪ができました。手を茶壺に見たてて、一人の人が歌に合わせて輪になった茶壺に順々に人差し指を入れながら回ります。歌が終わったところで指の入っている茶壺(手)は引っ込めていき、それを繰り返しながら誰が最後まで残るかを楽しむ遊びでした。隣のグループはみんなで手の動きを合わせる遊び方をして、浪江町の中にもいくつかの遊び方があることがわかりました。
 Recrew No.640(2013年4月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.20(2-2)

そんな違いの話をしていると、「とおりゃんせ」の歌詞も変わっているといいます。「坊さん、坊さん、どこ行くの。私は田んぼの稲刈りに…」という出だしがあることを紹介してくれ、みんなで歌ってみました。少し照れながらも、みなさんが歌や遊びを紹介してくれると、一段と温かい雰囲気になりました。そして、福島に伝わるわらべ歌などを楽しむことで、もっともっと浪江町に伝わる事が出てくると感じさせてくれる活動となりました。
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