遠野市レクリエーション協会の2年目の被災地支援活動が、無事終了。今年度は6月7日の釜石市立唐丹小学校3、4年生を皮切りに、10月28日の釜石市の鵜住居児童館の受入まで、計18回、参加者696名、ボランティア550名のみなさんが遠野市の柏木平レイクリゾートを訪れました。
今年度は、学校や地区単位での参加のほかに児童クラブ単位での参加もあり、幅広い学年の対応に苦慮しました。活動の前半は、全体の交流ゲームからなので低学年の体力に合わせなければなりません。当然、内容も吟味が必要でした。また、まったく津波の被害がなかった地区の児童クラブの子どもたちが遊びに来たのですが、実は津波で家を流されて仮設に引っ越し、転校してきている子どもが結構いること、中には、親を亡くしている子どもがいることがわかりました。私たちスタッフは毎回、子どもたちへの言葉掛けの配慮を怠らず、笑顔になって帰ってもらおうと活動していましたが、逆に子どもたちから元気をもらっていたような気がします。
陸前高田市立竹駒小学校の校長先生の話によると、いまだに、被災地の子どもたちは曲がったままのガードレールの通学路を歩いて学校へ通っているそうです。校庭は仮設住宅が建って使用できず、体育館は耐震補強工事がようやく終わり、1年半ぶりに使えるようになりましたが、その間に子どもたちの運動能力はみるみる落ちていき、ちょっとしたことで大ケガをする子が増えたそうです。当初は、「思いっきり自然の中で遊んでもらおう」というコンセプトでしたが、2年目は「思いっきり、でもほどほどに自然の中で遊んでもらおう」というコンセプトにしていくことを、校長先生と確認しました。
一緒に参加してくれた保護者も、気持ちに余裕が出てきたような気がします。親向けプログラム(端布を使った巾着づくり)の最中に震災直後の話をするようになり、「久しぶりに癒された。来て良かった」というお声をいただきました。保護者の気持ちが安定してきたおかげで、子どもも気持ちが安定してきたように感じます。参加した後日、感想のお手紙を書いてくる子どもが増えたのも事実です。
昨年度から、たくさんのボランティアの方たちに支えられてきました。県内各地のレク協会員、地元のママさんバレーボールチーム、市内児童館の先生方、全国各地からの一般ボランティア、ロンドンやアメリカなど海外の方からも参加していただきました。まさしく「絆」です。本当に感謝しています。
私たちは、被災地に入らない活動を展開しています。一時でも劣悪な環境から離すことによって、癒してあげられるのではないかという思いからです。この活動が、あとどれくらい続くのかはわかりません。一年でも早くこの活動が終了し、元通りの生活に戻ることが望ましいことだと思っています。被災地支援ではなく、本来の「明るく豊かな生活」の支援という形で活動していきたいです。