災害時のレクリエーション支援
 Recrew No.623(2011年7月1日)発行 [笑顔 Again]プロジェクト Vol.03
Recrew No.623(2011年7月1日)発行

[笑顔 Again]プロジェクト Vol.03

公開日
2020年6月25日
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避難所に和やかな雰囲気を広げる
Team Recrew
ボランティア養成もスタート


期待される「楽しさ」の支援。

4月28日木曜日、宮城県レクリエーション協会のボランティア・スタッフは女川町に向かいました。女川町も津波による大きな被害を受けました。建物の4階に上がった自動車や、町の奥まで押し上げられた電車や船が、津波の高さや破壊力を物語っています。
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最初に向かったのは、約800人が避難生活をする女川町総合体育館。午前10時過ぎから、体育館入り口のスペースで活動します。もちろん、研修や教室ではないので、決まった参加者がいるわけではありません。スタッフは「少し身体を動かしませんか」と声をかけに居住スペースに行きました。
最初に2人の高齢者が参加。音楽に合わせながらストレッチやマッサージを始め、雰囲気づくりにジャンケンで楽しむゲームをすると、数人の高齢者と子どもたちが参加し始めました。スカーフを使ったゲームを行い、腕の上げ下げや足の運動をしたり、シャボン玉の歌を歌いながらスカーフを投げたり、キャッチしたり。みんなの笑い声にも誘われて、また1人、また1人と輪が広がっていきました。そうした姿をまわりから微笑みながら見守る人も増え、とても和やかな雰囲気ができていました。
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この日は、レクリエーションの学習課程を設置する仙台大学の学生チームも活動に参加しました。県レクリエーション協会のスタッフから引き継ぎ、健康体操などを行いました。避難所を管理する女川町教育委員会の平塚英一さんは、「行政は復興や生活再建に関わる仕事が中心となるため、ボランティアが身体を動かしたり、楽しんだりすることを支援するのはとても大切」と話してくれました。
午後からは女川第二小学校へ。ここには女川町の島(出島)にある女川第四小学校が移ってきています。全児童数は6名ですが、ジャンケンやカードを使ったゲーム、鬼ごっこ、グループ対抗ゲームなど、昼休みの時間を使って先生も一緒に遊びました。三品隆校長先生は、「出島では9割近くが家を失いました。避難所の生活は楽しみも少ないので、こうした機会を多くつくりたい」と話してくれました。

宮古市、野田村、伊達市でも活動スタート

被災地でのレクリエーション・ボランティア活動を継続的に実施していくために、県レクリエーション協会では災害支援のためのレクリエーション・ボランティアの養成を、6月11日から始めました。被災地での安全管理や災害支援活動の現状、ボランティアの役割等と、避難所等を想定したレクリエーション、コミュニケーションワークについて学習したのち、3日間程度の実習を行うプログラムで、今後活動の核となるスタッフを育成します。
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岩手県では6月25日に子どもたちの心のケアについての研修会を開催。毎週末、被災地の子どもたちを受け入れる遠野市レクリエーション協会が、スタッフ研修として行いました。また岩手県では、宮古市レクリエーション協会が市内の避難所等を訪問する活動を毎週末始めたほか、野田村の支援活動を青森県八戸市レクリエーション協会が行う予定です。
福島県レクリエーション協会では、レクリエーション・ボランティアの活動の様子を、県社会福祉協議会ホームページを通して発信し、活動の輪を広げる試みをしています。
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また、伊達市レクリエーション協会は、毎年実施する子どもの居場所づくり「やながわあそびの城ジュニアレククラブ」を、避難所と地元の子どもたちの交流機会として6月より行っています。対象とする避難所も広げる予定で、南相馬市内の避難所から子どもたちをバスで送迎し、参加してもらう計画を立てています。

岩手県陸前高田市でボランティア向けに レクリエーション・マインドを発揮

福井県災害ボランティアセンター連絡会の支援する陸前高田市へ5月31日朝から6月2日昼までの間、ボランティアとして参加してきました。
活動内容は一般的なボランティアと、彼らの食事を作る調理ボランティアでした。その中で、同行した福井県のボランティアの皆さんへリフレッシュを兼ね、レクリエーション・マインドを発揮してきました。  例えば、調理ではメニューをアレンジ。サラダのトマトを半分カレーに入れたり、サラダのキュウリを一部一夜漬けにし、余り物の唐辛子昆布をプラス。疲れて帰ってきた皆さんからは、大好評。「家の食事より美味しい!」と言っていただきました。食事がおいしいと仕事もはかどり、全体のやる気がみなぎってくるのを感じます。
出発前にストレッチ。帰って来てからもストレッチ。かなり疲れている人には、タッピングや背中のマッサージなども支援しました。
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被災地への支援活動を頑張るためにも、ボランティアの皆さんが元気でいることが大切です。いきいきと仕事ができるための回復の時間を作ることってまさしく"レク力"ですよね。ちょっとしたことがやる気を醸し出す…ということを肌で感じました。休憩時間や隙間の時間を利用して手軽に実施できる、これがレクリエーションの良さですね。
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